ここでは外陰部や内股に発症する静脈瘤(陰部静脈瘤)の症状や治療法について解説しています。
陰部静脈瘤とは妊娠による腹部圧迫を契機に外陰部から内股にできる静脈瘤のことで30代から50代の女性に多く見られます。
陰部静脈瘤は妊娠して大きくなった子宮に腹部の大静脈が圧迫されることにより、下半身の血液が大静脈に戻りにくくなり発症します。
足のつけ根や太ももの裏側に静脈瘤がある場合に陰部静脈瘤が疑われ、生理で卵巣や子宮にいく血液が増えると足が重くなったり痛くなるといった症状が強くなります。
また、排便時や排尿時、性交時に鈍痛を感じることもあります。
大伏在静脈は正常で逆流はありませんが、内腸骨静脈などの骨盤内静脈からの逆流が原因となって痛みが出るとされています。
血管がそれほど盛り上がることがなく、静脈瘤も大きくならないので、見逃されたり治療の必要がないと考えられがちですが、見た目より症状が強く意外と悩んでいる女性が多いと言われています。
陰部静脈瘤は妊娠中にできることが多いですが、胎児安全のため妊娠中は治療を行いません。医療用の弾性ストッキングを着用することで症状を軽減することはできます。
出産後に症状が消える場合もあるため様子を見て、出産後に症状が残るようであれば治療することになります。
陰部静脈瘤は伏在型静脈瘤とは違ってストリッピング手術やレーザー治療を行うことはありません。
重症でない限りはほとんど、硬化療法による治療がおもです。硬化療法は、血管に硬化剤を注入して静脈を閉塞し消滅させる方法で、陰部静脈瘤の治療に適しています。
最近ではフォーム硬化療法と言って泡状の薬剤を使用することで従来の硬化療法よりも効果が高まったと言われています。
重症の場合はカテーテルで静脈を塞ぐ手術による治療(骨盤内静脈塞栓術など)を行うことがありますが希なケースと考えてよいでしょう。
陰部静脈瘤の初期症状として、足のむくみが挙げられます。今まで履いていた靴がキツく感じたり、指で押すと凹んで後が残ったりするのが、足がむくんでいる症状なので、これらがないか注意深く観察をするようにしましょう。
また、立ちっぱなしや、座りっぱなしの後に足が重だるく感じたり、かゆみやこむら返りが起こったりすることもあります。これらの症状は、日常的に起こりやすいので見落としがちですが、陰部静脈瘤のサインかもしれないので、心配な場合は早めに病院を受診するようにしましょう。
中にはこのような初期症状がなく、血管がコブのようにボコボコと膨れてくることもあります。ふくらはぎだけでなく、鼠径部(足の付け根部分)や、太ももの裏に静脈瘤が生じやすいので、こまめにチェックすることが予防に繋がります。
陰部静脈瘤は他の静脈瘤と違い、腹部の中にある卵巣や子宮周囲の血管が原因となります。生理中や妊娠中に症状が出やすくなっているため、生理の時期や妊婦や時期は特に注意深く観察するようにしましょう。
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