不安をなくそう!下肢静脈瘤のやさしい解説まとめ

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種類を知る

ここでは下肢静脈瘤はどのような種類に分けられるのかを紹介。それぞれの主な原因とタイプの違いについて解説しています。

一次性静脈瘤と二次性静脈瘤の違い

下肢静脈瘤とは足の静脈にこぶ(瘤)ができることを言いますが、発生原因によって大きく一次性静脈瘤と二次性静脈瘤に分けることができます。

一次性静脈瘤

一次性静脈瘤は、静脈の弁不全が原因で静脈瘤を形成するものを指し、一般的に下肢静脈瘤と呼ばれる大部分は一次性静脈瘤になります。

足の静脈は重力に逆らって血液を上に運ばなければなりません。そのため、逆流を防ぐための弁が付いています。

この弁が、老化や行き過ぎた運動などによって働かなくなってしまうと、血液の逆流が起こります。これによって血管が瘤状に浮き出た状態を、一次性静脈瘤と言うのです。

一次性静脈瘤は表在静脈そのものに原因があり、保存的治療と外科的な手術治療が適応になります。

保存的治療としては、弾性ストッキングによる圧迫療法を行ないます。足に溜まった老廃物が流されるので症状の改善が期待できます。ただし、この方法は根本的な治療ではないので、ストッキングを脱げば効果がなくなります。

外科的な治療としては、逆流している血管をレーザーや高周波で焼灼するか、逆流している血管そのものを引き抜く手術(ストリッピング)を行ないます。

二次性静脈瘤

一方、二次性静脈瘤は深部静脈に血栓ができて血流が途絶えてしまい、表在静脈の血流増加により静脈瘤が起きるもので表在静脈そのものには原因がありません。

深部静脈血栓症や骨盤内腫瘍、血管性腫瘍、妊娠などが原因となって深部静脈の循環障害が起きることで静脈瘤を発症します。

二次性静脈瘤では表在静脈が足の血液を心臓に返す重要な役割を担うため手術治療ではなく内科的治療が適応になります。

一次性静脈瘤と同じく弾性ストッキングを使用して、下肢に溜まった血液を心臓に送り返すための手助けをしたり、抗炎症剤などを内服したりします。

外科的な治療を選択する場合は、静脈瘤が発生している血管を取り除くか、その血管に薬剤を注入して静脈瘤を潰してしまう硬化療法のいずれかが適切です。ただし硬化療法は色素沈着などの問題が発生する可能性があります。

二次性静脈瘤の危険性について

二次性静脈瘤の原因となる深部静脈血栓症は、もし血栓が肺に飛ぶようなことがあると肺塞栓症、いわゆるエコノミークラス症候群を引き起こして生命にかかわる可能性があります。そのような事態を防ぐため、血栓を溶かしたりできにくくしたり、できたとしても他の箇所へ飛ばないようにする治療が必要です。

血栓ができやすい病気の可能性もあるので、治療と併せて必ず精密検査を受けるようにしてください。

一次性静脈瘤の種類

一次性静脈瘤は、静脈組織の深さや形態の違いにより4つの種類に分けることができます。

伏在静脈瘤

大伏在静脈や小伏在静脈と言われる表在静脈本幹に発生する静脈瘤で太い瘤を形成します。

太腿やふくらはぎ、膝の裏などに蛇行したりボコボコとふくらんだ血管が目立ち、下肢静脈瘤の中で最も多い静脈瘤です。

伏在静脈瘤について
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側枝静脈瘤

伏在静脈からさらに枝分かれした静脈に発生するもので、膝周辺や太腿、ふくらはぎに静脈瘤ができます。

伏在静脈よりやや細く、足全体に広がる静脈の一部の血管が浮き出た状態になります。

側枝静脈瘤について
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クモの巣状・網目状静脈瘤

皮膚の直下にある細い血管に起こる静脈瘤で、伏在静脈瘤のようにボコボコと血管が隆起することはありません。

青色の網目状に広がる網目状静脈瘤は膝の裏側に起こることが多く、クモの巣のように紫紅色に広がるクモの巣状静脈瘤は太ももやふくらはぎ、膝裏などに起きます。

クモの巣状・網目状静脈瘤
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陰部静脈瘤

妊娠を契機に発生することが多く、腹部の圧迫で足の付け根や太ももの裏側、陰部周辺にできる静脈瘤です。

足が重くなったり痛くなるといった症状が出ますが、妊娠中は治療を行わず出産後に治療を行います。

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二次性静脈瘤を見逃さないようにするのが重要

下肢静脈瘤は生命にかかわることはないと考えるのは早計です。それはあくまでも一次性静脈瘤に限った話で、もっとも大切なことは二次性静脈瘤を見逃さないこと。頻度は決して高くありませんが、単なる静脈瘤だと思っていたら深部静脈血栓症が隠れていたという患者さんがいることも事実です。

確かに静脈瘤のほとんどは一次性静脈瘤ですが、中には初診時の超音波検査で深部静脈が閉塞していることがわかり、そのまま救急外来に搬送されて肺塞栓症の診断を受け、即日入院というケースもあります。 放置すると致命的な事態にもなりかねません。検査を受けてきちんと症状を見極めることが大切です。

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