日帰り治療が主流となっている下肢静脈瘤手術の大まかな流れについて説明しています。
下肢静脈瘤の手術には高位結紮、ストリッピング、レーザー、ラジオ波(高周波)などいくつかの種類があります。
このうち下肢静脈瘤の根治療法としては長年の間、ストリッピングが主流となって行われてきました。
ストリッピングは血管抜去術とも呼ばれ、足の2カ所を切開して壊れた血管を引っ張り出すため、全身麻酔が必要で数日から1週間程度入院するのが当たり前でした。
ところが最近では静脈麻酔と局所麻酔を組み合わせることによって、ストリッピングでも日帰り手術が可能になってきました。
高位結紮は静脈を高い位置で縛りつける治療法で硬化療法と併用されることが多いですが、局所麻酔で30分程度で終わってしまう手術です。
レーザーやラジオ波(高周波)による治療は、1ヶ所から針を刺すだけで済み手術時間も長くて1時間。局所麻酔で行われ、体への負担が少なく日常生活への復帰も早いのが特長です。
どの手術が行われるかは症状や希望によって変わってきますが、どれが選択されたとしても日帰り治療が主流となっているので、以前のように大がかりな準備は必要ありません。
手術というと怖いイメージを持つ方もいるかもしれませんが、下肢静脈瘤の治療はとてもシンプルです。実際にどのような流れで進められるのか説明しましょう。
超音波エコー検査を行って下肢静脈の血液の逆流の状態を確認し、血液検査や心電図を確認しながら身体が手術を受けられる状態であるかどうかをチェックします。
処置する部位をマジックで印をつけます。手術を行う範囲を確認してどのように手術を行うか細かな方針の大部分が決められます。マーキングは10~15分程度で終わります。
ストリッピングの日帰り手術の場合は点滴注射による静脈麻酔と局所麻酔を使用して手術が行われるので、眠っている間に手術が終了しています。
高位結紮やレーザー/ラジオ波は局所麻酔を使用して手術が行われ、手術後間もなく日常生活に戻ることができます。
ストリッピングの場合は1時間前後の休憩をとります。レーザー治療の場合は10~20分の休憩で済みます。
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