ここではラジオ波(高周波)治療とはどのような方法であしの静脈瘤を治療する手術なのかを解説しています。
ラジオ波(高周波)治療とは血管内治療法の一つで、超音波(エコー)機器で観察しながら静脈内に専用の金属カテーテルを入れ、熱により静脈を閉塞させるものです。
下肢静脈瘤の治療法としてはレーザーによる焼灼術がよく知られていますが、これと基本的には考え方は同じで、レーザーかラジオ波かという差があるのみです。
ラジオ波とは周波数10kHz~100GHzの電磁波のことで、医療分野では以前からラジオ波を利用して肝臓癌や乳癌などの治療が行われています。
静脈瘤の治療ではカテーテル先端の金属コイルに460kHzの高周波を流して、120度に発熱させることで静脈壁を焼灼します。
レーザー治療の場合は照射するレーザーに指向性があるため静脈壁の焼灼にばらつきが出てしまうこと、300度~1200度という高い温度のために必要以上のダメージを組織に与えてしまうという欠点があります。
一方、ラジオ波の場合は焼灼温度を一定に保つようコントロールできるため、焼けすぎるといったことがなく静脈壁のみを均一に焼灼できるのが特長で、レーザー治療と比べると術後の痛みや皮下出血も少なくて済みます。
またレーザー治療と同様に30分程度の手術で局所麻酔をベースに治療が行われるため、体への負担は少なく日帰りが可能で、傷跡は1~2mm程度のカテーテル開口部のみです。
アメリカでは下肢静脈瘤の患者の約半数は、ラジオ波による治療を受けていると言われています。日本でも2014年に保険適用されたため、今後は新しい治療方法として普及が期待されています。
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