治療後に下肢静脈瘤が再発することはあるのか、またその可能性を低くするための方法について解説しています。
下肢静脈瘤の治療をするのはよいけれど、その後に再発してしまうのではないかと心配な方は多いでしょう。
結論から言ってしまうと再発の可能性はあります。もちろんすべての人が必ず再発するわけではありませんし、治療技術の進歩によって再発率は低くなってきています。
再発の可能性があるというのは、どの治療法を選択したとしても完全に再発率をゼロにすることはできないという意味です。
実際にどの程度の割合で再発が起きているかというと、再発率が高いとされる硬化療法で20~30%。治療後半年で再発するケースが多いと言われています。
静脈瘤が起きている静脈を引き抜くストリッピング手術では1.6%なので、再発する可能性は極めて低くなると言えるでしょう。
近年、下肢静脈瘤の治療法として主流になりつつあるレーザー手術も再発率はストリッピング手術とほぼ同じです。レーザーの種類によっては、さらに再発率は低くなると考えられます。
それでも確実に再発をストップさせる方法は現在のところありません。下肢静脈瘤は再発することもあるということを心得ておきましょう。
下肢静脈瘤の再発に関しては医療機関も把握しているため、その予防を念頭に置いた治療計画を提案しているところもあります。
例えば硬化療法は単独で行うと再発のリスクが高いため他の治療法と併用して行われるケースが多くなっています。
また根治療法として知られるストリッピング手術や、レーザー手術でも弾性ストッキングによる圧迫療法と組み合わせることで、治療後の合併症や再発を防ぐ工夫がされています。
この他、再発防止のために患者として努力しなければならない点もあります。
いくら治療を受けたとしても、下肢静脈瘤になりやすい生活環境がそのままだと別の静脈瘤を起こしてしまうことがあるからです。
運動不足解消や足の筋力アップのためにウォーキングを習慣化したり、立ち仕事が避けられないという場合は弾性ストッキングを継続的に着用して静脈弁にかかる負担を軽くすることも必要です。
そのためには再発防止のために最適な治療法を一緒に考えてもらえたり、生活習慣や日常ケアについて相談ができるなど、しっかりコミュニケーションができるクリニックを選ぶことが重要です。
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