不安をなくそう!下肢静脈瘤のやさしい解説まとめ

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ストリッピング

ここではストリッピング手術とはどのような方法で足の静脈瘤を治療する手術なのかを解説しています。

下肢静脈瘤のストリッピング治療の基本情報

  • 保険適応:〇
  • 治療費用相場:3~6万円(3割負担)
  • 治療時間目安:30分~1時間
  • 日帰りの可否:症状や施設によって可
  • 麻酔の方法:全身麻酔(または局所麻酔)

弁不全の起きている静脈を引き抜くスタンダードな治療法

ストリッピング手術とは、下肢静脈瘤に対する効果的な治療法として、100年以上前から行われているもので、静脈瘤が発生している静脈を引き抜いてしまう治療方法です。

剥ぎ取るという意味の英語「ストリッピング」という名の通り、静脈が取り除かれてしまうので、「本当に大丈夫なのか?」と不安に思うかもしれません。

しかし、血液は他の静脈を通って心臓に戻っていくようになるので心配はありません。

手術は、足の鼠径部(付け根)と膝窩部(膝の裏側)の2カ所を2cmほど切開し、静脈弁の壊れてしまった血管の中に、手術用ワイヤーを通して血管と結んで静脈ごと引き抜くという方法が一般的です。

下肢静脈瘤の原因となっている部分が、物理的に取り除かれることになるため、治療効果が大きく再発率が低いという特長を持っています。

医療技術の進歩により日帰り可能な場合も

以前のストリッピング手術は、全身麻酔による手術がほとんどだったため、4~7日間の入院が必要とされていました。

しかし、最近では麻酔技術の進歩によって局所麻酔で日帰り手術を行なっている医療機関が増えてきました。

ストリッピング手術後は、治療効果の維持や再発防止のため、弾性ストッキングなどの保存療法が併用されることがあります。

その際、激しい運動は避けるべきですが、手術直後から通常の生活は送れるようになります

現在下肢静脈瘤の治療方法としてはレーザー治療が主流になりつつありますが、全てがレーザー治療できるわけではなく約1割はストリッピングが適していると言われています。

ストリッピングが適応できる症例

ストリッピング手術は主に伏在型静脈瘤に適した治療法であり、大きな静脈瘤にも対応できるという特徴があります。

そのため、2cm以上の静脈瘤の場合や静脈瘤が皮膚のすぐ下にある場合、レーザーなどで焼くのではなく抜き取ってしまうストリッピング手術が適用されることがあります。

他の施術と比較してのメリットデメリット

前述のように、下肢静脈瘤の治療方法としてはレーザー治療が主流といわれており、ストリッピング手術は原則行っていないという病院もあります。

ストリッピング手術のメリットは、静脈瘤を抜きとってしまうため再発の可能性が低く、レーザー手術やラジオ波治療は再発の可能性がわずかに高くなります。

また、レーザー手術やラジオ波治療に比べて、ストリッピング手術の方が若干安くなります。ただし、レーザー手術やラジオ波治療ともに保険適用となっており、その差額は高くても1万円程度とそこまで大きくはありません。

レーザー手術やラジオ波治療に対してのストリッピング手術のデメリットとしては、レーザー手術は国内での死亡例はゼロであるのに対し、ストリッピング手術は約10%の確率で膝から下に神経障害を起こすともいわれています。

高位結紮術は足の付け根で血管を縛って血液の逆流を止めるという、いわば緊急の術式なので、ストリッピング手術に比べて再発の危険性が高まります。

また、高位結紮術は硬化療法と併用することが多いですが、ストリッピング手術を行ってしまえば、硬化療法の必要はなくなります。そのため、硬化療法に伴う疼痛・色素沈着・水疱形成・血栓症といった合併症の心配がなくなります。

高位結紮術に対してのストリッピング手術のデメリットは、手術による痛みや出血など、患者さんへの負担が大きいことが挙げられます。また、脊椎麻酔か全身麻酔をした場合は入院する必要があります。

ストリッピングで起こるトラブル

ストリッピング手術によって起こりうるトラブルは、麻酔による合併症が考えられます。また、術後に皮下出血が起こる可能性もあります。

いずれにせよ、ストリッピング手術が適用になるのは静脈瘤が大きくなってしまった場合と考えられますので、足のむくみやだるさを感じたら、食生活の改善やマッサージするなどして、できるだけ早めに対策をするようにしましょう。

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