不安をなくそう!下肢静脈瘤のやさしい解説まとめ

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うっ滞性皮膚炎

色素沈着や湿疹などの症状が出るうっ滞性皮膚炎と足の静脈瘤の関係、治療法などについて解説しています。

うっ滞性皮膚炎とは

うっ滞性皮膚炎は下肢の血行障害によって足の下3分の1にできやすい慢性の皮膚炎で、下肢静脈瘤と合併して起こることが多いとされています。

症状は色素沈着やかゆみを伴う湿疹などで、「うっ滞性」という名の通り、血液が静脈内で停滞してしまう状態が長く続くことにより、血管から皮膚への酸素や栄養の供給が不足することが原因と考えられます。

うっ滞性皮膚炎の治療方法

治療法としては皮膚科などでは湿疹に対してステロイドや抗アレルギー薬などの外用薬が使用されることがあります。

外用薬により一時的にかゆみが治まることがありますが、ベースにあるのは静脈瘤などによる血液の循環障害ですのでそれだけでは根本的な治療にはなりません。

静脈の血行障害を改善させるのが治療の基本となるので、弾性ストッキングや弾性包帯の着用も一定の効果が期待できます。

しかし、最終的にはレーザー療法や高周波(ラジオ波)カテーテルなどにより静脈瘤に対する治療を行うことが必要になります。

うっ滞性皮膚炎を対策する方法

日常生活の心がけやアイテムなどで血行不良を防ぐ

上でも説明した通り、うっ滞性皮膚炎の大きな原因となるのが血行不良です。

まずは、静脈の血流が膝下に溜まってしまうことを防ぐ必要があります。

日常生活では、長時間立ったままの状態でいることを避ける、足を上げる、足首の運動をして血流をよくするといったことを意識しましょう。

また、上でも触れましたが弾性ストッキングを履くことも有効です。弾性ストッキングの圧力によって静脈を圧迫すれば、うっ滞を防ぐことができます。

ストッキングの他には「弾性包帯」というものもあり、症状が酷くない場合はこれだけでもむくみや痒み、皮膚潰瘍などが改善されるケースも多いです。

内服薬と外用薬で症状を抑える

血流が滞る、うっ血によって起こったむくみや皮膚炎を改善させるために、内服薬や外用薬を用いた治療も行います。

外用薬(塗り薬)では、血流を増やす働きのある「ヒルドイド」や「アクトシン」が用いられることが多いです。

その他、皮膚炎が改善しない場合はステロイド外用薬を用いることもあります。

しかしステロイドによって一時的に症状が緩和されても、根本の血流を改善しないと皮膚炎自体が治ることはありません。

今度はステロイドの副作用に悩まされる可能性も考えられます。そのため、外用薬でうっ滞性皮膚炎を治療するというよりも、症状を抑えるために使用されるといった意味合いが強いです。

内服薬においては、むくみを改善するために利尿剤が処方されることがあります。

硬化療法で静脈瘤を消す

硬化療法とは、静脈瘤ができてしまった場合、「血管を固める薬を注入し、その後強く圧迫することで静脈瘤をなくす」という治療法になります。

クモの巣状静脈瘤や網目状静脈瘤などの人に有効な方法です。入院の必要はなく、処置をした後は弾性包帯を使用して処置した部分を圧迫しておきます。

3日間ほど圧迫した状態を維持するため、その間は入浴できませんし、着用したまま就寝する必要があります。

その後も、日中は3週間ほど弾性ストッキングを履いて過ごします。

処置後、しばらくは色素沈着や水疱などが起こることがありますが、しばらくすると治まるでしょう。

硬化療法では、まれではあるものの合併症として深部静脈血栓症(足や骨盤の深部にある静脈に血栓ができる病態)を発症することがあります。

また、注射部の浮腫、皮膚潰瘍などが起こる可能性もあります。皮膚の弱い人は事前に医師に相談しましょう。

症状が重い場合は手術で治療する

静脈瘤が酷い場合には、手術を行うこともあります。「瘤切除」では、大きい瘤の周りの血管を縛った上で切断し、瘤の切除を行います。

他にも、以下のような手術を行うこともあります。

  • 表在静脈を抜去する「ストリッピング」
  • レーザーで血管の内腔を焼いてしまう「高周波血管内治療」

いずれも麻酔を使用して手術が行われますが、高周波血管内治療は痛みが少ない手術である上に局所麻酔の傷しかつかないというメリットがあるため、現在もっとも多く用いられている方法です。

高周波血管内治療は保険適用範囲内で受けられます。

治療後は、やはり一定期間弾性ストッキングを着用し、静脈瘤が小さくなっていくまで待ちます。

症状が改善されない場合は、瘤切除手術を行うこともあります。

色素沈着や湿疹は下肢静脈瘤進行のサイン

下肢静脈瘤と色素沈着

下肢静脈瘤(足の静脈瘤)を治療をせずに放置していると、足の皮膚にさまざまな変化が生じるようになります。

まず皮膚に赤・茶色の斑点や紫斑が現れ、徐々に茶色から黒っぽく変化していきます。

これは色素沈着と言って足に溜まって行きどころを失った血液が染みだしてできるものです。

黒くなってしまうのは血液に含まれる鉄分が酸化するからで、下肢静脈瘤が原因となって色素沈着が起きるとあざのようになってなかなか消えなくなります

下肢静脈瘤と湿疹

このような状況になってからさらに放置してしまうと、色素沈着を起こした部分の皮膚がザラザラになり湿疹(静脈性湿疹)が出てかゆくなります。

かゆみや湿疹は主に足首や静脈瘤の周辺で発生し、血管の中の血液がうまく循環しなくなることで起きます。

さらにかゆくなった部分が炎症を起こすと、うっ滞性皮膚炎と呼ばれるようになります。

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