ここでは、足の血管が目立つ静脈瘤に「良い食べ物」と「悪い食べ物」についてご紹介します。
ですがまずは、下肢静脈瘤になる原因や、予防・対策について確認していきましょう。食べ物の「何が良くて」「何が悪いか」の判断の基準にあたる内容だからです。
下肢静脈瘤は足の「血管」の病気です。特に下肢静脈瘤の対策・予防では「静脈の老化を防ぐ」ことがポイントとなります。
普段の食生活の中でも血管を元気で丈夫にする成分を含んだものを取り入れ、若々しい血管を維持することを意識しましょう
Tie2(タイツー)は血管内皮細胞にある酵素の一種です。血管の細胞どうしをくっつける接着剤の役割を持ち、丈夫な毛細血管を形成する働きを担っています。
壁細胞から分泌される「アンジオポエチン-1」というたんぱく質が作用することでTie2が活性化し、毛細血管の劣化を抑えて安定させます。
加齢や生活習慣、ストレスなどによって壁細胞がダメージを受けると「アンジオポエチン-1」が分泌されにくくなります。
その結果、Tie2を活性化できず、毛細血管にゆるみや隙間ができて、大切な血液や栄養が漏れ出してしまいます。これが毛細血管の老化・劣化のはじまりです。
毛細血管が元気な状態を維持するためには、Tie2を元気にしてあげることが大切なのです。
ヒハツやシナモン、ルイボスなどの植物に「アンジオポエチン-1」のように、Tie2を元気にできる成分が含まれていることが分かり注目されています。
血管を元気に維持するために、Tie2を元気にする成分を食事やサプリメントで取り入れてみてはいかがでしょうか?
下肢静脈瘤にいい食べ物としては以下のようなものが挙げられます。
これらは摂取するだけで足の静脈瘤が完治するような食べ物ではありませんが、悪化を防いだり症状の軽減に役立ちます。
静脈瘤を悪化させてしまう原因の一つとして便秘があります。便秘になると静脈圧が上昇して、排便時に足の付け根の静脈弁に腹圧をかけてしまうのです。
したがって便秘がちな人はフルーツや野菜など食物繊維をたくさん含んだ食事をとって便秘解消することが静脈瘤改善につながります。
下肢静脈瘤ができると血液がたまってしまい循環が低下することで、さまざまな皮膚トラブルが起こる場合も。よくある症状として、皮膚の硬化が挙げられます。この対策には皮膚をやわらかくする「ブロメライン」という酵素を含む食品の摂取がおすすめ。ブロメラインは赤唐辛子やにんにく、たまねぎなどに多く含まれる成分です。
さらに下肢静脈瘤によるむくみやだるさといった症状には、ワイン、緑茶、みかんなどに多く含まれている「ポリフェノール」が効果的だと考えられており、高い抗酸化力で血管を傷つける活性酸素を取り除いて症状を緩和することが期待されています。
参考元:北青山Dクリニック(https://www.dsurgery.com/varixlaser/whats-varix/yobou/)
下肢静脈瘤に良くないとされる食べ物には以下のようなものがあります。
下肢静脈瘤になりやすい原因の一つに肥満があります。特に男性よりも女性の方が肥満との関連性が高く、BMIが30kg/平方メートル以上の人に多いと言われています。
肥満と静脈瘤の関係はまだ完全には明らかになっていませんが、肥満解消は足への負担を軽くしたり様々な疾患予防にもなりますので、脂肪が多く含まれる食品を控えることをおすすめします。
特に脂肪分や塩分を多く含むインスタント食品やファストフード、糖分が多いスナック菓子などは血流を悪くしたりむくみの原因にもなりますので静脈瘤に悪影響を与える可能性が高くなります。
また、アルコール類やコーヒーは絶対飲んではだめというわけではないですが、血管の負荷を増大させてしまうため、できるだけ量を制限することが望まれます。
参考元:堺下肢静脈瘤クリニック(https://varix-sakai.com/varix)
参考元:横浜血管クリニック(https://yokohama-kekkan.com/足の痛みとむくみの外来)
東南アジアに分布するコショウ科の植物です。下肢静脈瘤に効果的な優れたTie2活性化作用が見出されています。
香辛料としてだけでなく、昔から体の冷えを改善する目的で食されています。
古代ギリシャ・ローマ時代から利用されているハーブです。体内の巡りに強く働きかけ、水分バランスを整える効果があります。
むくみだけでなく、手足の冷えが気になる方にもおすすめです。
北アフリカやヨーロッパ原産のバラ科の落葉樹です。
葉・花・果実にはフラボノイド、ビタミン、油が含まれており、そのエキスは生薬として化粧品や健康食品に利用されています。
むくみの原因となる塩分を体の外へ出してくれるカリウムなどのミネラルです。大豆にはそれらがバランスよく含まれています。
またサポニンが豊富で下肢静脈瘤の原因となる血管のダメージ・炎症を予防します。
緑茶に含まれているカフェインには利尿作用があり、体の余分な水分を排出してくれます。
またカテキンには高い抗酸化力があり、下肢静脈瘤の原因となる血管のダメージを防ぎます。
辛み成分である硫化アリル(アリシン)には血液粘度を下げ血液をサラサラにする効果があります。
また血管拡張作用もあるため、血液循環が良くなり血栓や下肢静脈瘤の予防に効果的です。
下肢静脈瘤だけでなく、高血圧などの血管の病気に効果的な硫化アリル(アリシン)やポリフェノールの一種であるケルセチンが豊富です。
肌のエイジングケアにも一押しの食材です。
抗酸化作用があるビタミンC。脂肪の吸収を抑えて腸内環境を整える食物繊維。水分排出に有効なカリウムを豊富に含みます。
下肢静脈瘤の原因といわれるむくみや肥満の改善に効果的です。
食物繊維やカルニチン、オレイン酸、カリウムなど栄養豊富な食物です。食欲を抑え、脂肪燃焼、脂肪吸収の抑制、デトックスが期待できます。
下肢静脈瘤の予防・改善におすすめです。
辛み成分のジンゲロールは血管を拡張させ、血の巡りを良くします。
デトックス効果だけでなく、体を心から温めることで新陳代謝が上がり、むくみや肥満の改善につながります。
抗酸化力が高いビタミンCとポリフェノールの一種であるアントシアニン、水分代謝を助けるカリウムが豊富です。
ペクチンと呼ばれる食物繊維はデトックスにも効果的だといわれています。
低カロリーで食物繊維豊富なセロリは、ビタミンB・C・Eも豊富です。
さらにカリウムも多く含むので、むくみが気になる方や、便秘改善やダイエットなど多くの健康効果が期待できます。
シナモンは、スパイスの一種で独特な香りや甘さがあります。体を温める効果があり、下肢静脈瘤のむくみを緩和させるのに役立ちます。ただしとりすぎるとアレルギーや口内炎が起こる可能性があるので注意が必要です。
ビタミン類とポリフェノールが豊富に含まれているカシス。ビタミン類には強い抗酸化作用があり、ポリフェノールには血液の流れを良くする効果が期待できます。どちらも下肢静脈瘤の和らげられる可能性がある成分です。
みかんには、抗酸化作用が強いといわれるβクリプトキサンチンが含まれており、下肢静脈瘤の原因にもなる生活習慣病を予防する効果が期待できます。また、みかんの薄皮には毛細血管を強化するビタミンPも含まれています。
ブルーベリーには、ポリフェノールであるアントシアニンがたくさん含まれています。血管を広げる効果があり、血流を良くさせる働きをしてくれます。血流の改善をすることで、下肢静脈瘤の症状を和らげる効果が期待できます。
きのこは免疫力を高めたり、抗酸化作用があったりと、健康維持に役立つ成分がたくさん入っています。抗酸化作用が下肢静脈瘤の緩和に役立つことはもとより、不溶性食物繊維は腸の動きを活発にして下肢静脈瘤によるむくみを和らげてくれます。
ポリフェノールが含まれていて、抗酸化作用が強い月桃葉。Tie2の働きを活発化させて、血管壁を強くしてくれます。抗酸化作用で生活習慣病を予防したり、Tie2を活性化させ血管を強くしたりすることは、下肢静脈瘤の改善にも繋がります。
参鶏湯などの料理に使われている高麗人参。高麗人参というと“健康的”なイメージがあるという方も多いのではないでしょうか。ウコギ科の薬用植物の根っこの部分である高麗人参は「漢方の王様」とも称されており、サプリメントや粉末でも摂取できます。下肢静脈瘤には高麗人参のもつ“サポニン”という成分が有効であり、血管を詰まりにくくさせたり血流改善を促す働きがあります。このページでは高麗人参のもつ成分についてのほか、高麗人参を摂取するためのレシピも紹介しています。
アブラナ科の多年生の植物であるマカは、南米ペルーのアンデス山脈が産地。「アンデスの女王」と称されるほど高い栄養価を誇り、高麗人参と同様に栄養ドリンクやサプリメントで摂取するイメージが強いかもしれません。マカには動脈硬化を予防する働きがあり、下肢静脈瘤の予防にも役立ちます。そこで、このページではマカのもつ成分の働きや、マカパウダーを使ったレシピ、マカを上手に摂取する方法などを紹介します。
カリンは実が硬くて渋く、そのままでは食べられない果物ですが、芳醇な香りがあり、のど飴やはちみつ漬け、お酒などで美味しく味わうことができます。Tie2を活性化させる「Tie2植物」として血流改善や高血圧の予防、下肢静脈瘤にも効果が期待できます。
栄養豊富な青魚の代表、サバ。血液サラサラ効果があると評判のEPA・DHAを多く含むとされ、特に脂ののった旬の時期のサバは効率よくEPA・DHAを摂取することができます。手に入りやすく調理が手軽なことから、サバ缶も重用されています。
イワシはサバと並ぶメジャーな青魚の代表です。サバに負けず劣らず豊富なEPA・DHAを含み、血流改善や脂質異常の改善、動脈硬化などの成人病予防などに効果があると言われています。サバと並んで漁獲量が多く加工しやすいことから、缶詰も多く出回っています。
ブドウの鮮やかな赤紫色はポリフェノールの印。その強い抗酸化力がコレステロールの酸化を妨げます。血液をサラサラにして血行がスムーズになれば動脈硬化も予防できます。血流の改善という観点で言えば、下肢静脈瘤の予防にも効果的です。
ほかにも眼精疲労対策や美白効果、認知症予防効果など、さまざまな効果が期待されるポリフェノールを多く含むブドウ。このページではブドウの効果のほか、上手な摂取の仕方についても紹介しています。
日本ではオリーブオイルとして使用することが一般的で、食材としてはなじみが薄いともいえるオリーブ。実は優れた作用を持つ健康的なフルーツだと知っている人はどのくらいいるでしょう。善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らす作用があるオレイン酸や、強い抗酸化作用を持つポリフェノール類も豊富に含んでいます。このページではオリーブが下肢静脈瘤の予防に効果的だと考えられる理由や、オリーブを上手に摂取するためのレシピなどを紹介しています。
血液の粘り気は、水分量やコレステロール値、赤血球の量や状態などによって変動します。下肢静脈瘤を予防するには、血液の流れを良くし、血管にかかる負担を軽減することがポイントです。
ドロドロした血液が動脈を流れると、静脈でも血流が滞ってしまうでしょう。そこで注目したいのが食生活です。
食生活を変えることによって血液の質も改善が可能です。例えば、菓子パンやスナック菓子をやめることは、トランス脂肪酸や悪玉コレステロールを減らすのに効果的ですし、えごま油などのオメガ3系の油を摂取すればコレステロールや中性脂肪を抑制できます。
参考元:食品安全委員会(http://fsc.go.jp/osirase/trans_fat.html)
血液循環を良くする食べ物も、食べ方によっては効率よく栄養素を摂れなくなることがあるので注意が必要です。たとえば、玉ねぎやにんにくに含まれるアリシンは、すりおろしたり刻んだりすることで発生します。熱に弱いのでドレッシングに混ぜるなど生で食べるようにしましょう。
また、ビタミンCは水溶性なので、野菜を茹でて食べる場合はゆで汁も摂るように。スープなどの汁物がおすすめです。
血液サラサラ効果で有名なEPAは、朝に摂ると吸収が良いという報告があります。缶詰で手軽に摂取するのもOKですが、生の魚を買ってきて調理しても良いでしょう。食品成分表によると国産のマサバより輸入のタイセイヨウサバのほうが、EPAがより豊富なようです。
参考元:産総研(https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2016/pr20161101/pr20161101.html)
下肢静脈瘤を予防するために、積極的に取り入れたい食材は多数あります。
特に摂取したいのがいわしやさんまなどの青魚。青魚には血中のコレステロールを減らすEPAやDHAが含まれています。EPAやDHAを摂取すれば、血小板が固まるのを防いだり、赤血球の柔軟性を上げたりして血液の循環も良くすることが可能です。
また、タマネギには血管を広げる働きがあり、唐辛子には体温を上げて血流を促進する働きがあります。日頃から意識して食事に取り入れて、下肢静脈瘤を予防しましょう。
参考元:ハウス食品(https://housefoods-group.com/newsrelease/pdf/120719tamanegiekisu.pdf)
下肢静脈瘤を防ぐにあたって、水分不足は大敵です。脱水症状を引き起こすと血液中の水分も不足するため、血液がドロドロになってしまいます。
血液がドロドロになると血の巡りが悪くなり、動脈硬化の原因になりかねません。そこで、1日2時間にコップ1杯程度を目やすに、こまめに水分補給をするよう心がけましょう。
とりわけ暑い季節は注意が必要で、喉の渇きを感じなくても、水分を摂取する習慣を身につけておくことをおすすめします。
参考元:グレースメディカルクリニック(https://gmc.kumamoto.jp/care/hyperlipidemia)
下肢静脈瘤の予防や症状の緩和には、血液を身体中に巡らす・栄養を送る・老廃物を回収するといった働きをする「血管」そのものを健康な状態に保つことも大切。そこで、若々しく強い血管を作るのに欠かせない食べ物や料理をご紹介します。
血管が老化する原因は、まぎれもなく不適切な食生活です。それに加え、運動不足やストレスなども相まって、血管がボロボロになり、結果血液の質が悪くなっていくのです。
では、どういった食生活を送れば血管は丈夫になるのかというと、これまでに紹介している「血液の循環を良くする食事」と基本的な考え方は同じでです。
そこで、よりわかりやすく「血管を強くするのに欠かせない三つの要素」にまとめました。
塩分を摂りすぎると血圧が上がるばかりでなく、血管そのものにもダメージを与え、動脈硬化などを誘発します。
塩分を抑えるには、味付けの濃い外食やインスタント食品を避け、自炊する回数を増やすこと。その際、塩や醤油などの調味料を使いすぎないことが重要になります。
また、お漬物や干物、肉加工品は塩分が高いので、控えめにすると良いでしょう。
参考元:国立循環器病研究センター病院(http://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/diet/low-salt.html)
血液中の糖の濃度が高くなると、血管が傷んで血液の流れが悪くなっていきます。そこで、上がってしまった血糖値を下げる食品を積極的に摂るようにしましょう。
加えて、空腹状態で炭水化物やお菓子などを食べ過ぎると血糖値の上昇が早まるので、野菜や豆類などから食べることをおすすめします。
食物繊維やタンパク質の多いものも吸収を遅らせるのに効果的。糖の吸収をゆるやかにするために、以下の食品群をメニューに入れてみてはいかがでしょうか。
参考元:糖尿病リソースガイド(http://dm-rg.net/news/2018/12/019979.html)
善玉コレステロールといわれる「HDLコレステロール」は、余分なコレステロールの回収および血管壁にたまった脂質を取り除く働きがあります。
HDLコレステロールを増やすためには、オレイン酸やDHA、EPAといった不飽和脂肪酸を普段の食事に取り入れると良いといわれています。
血糖値についてもいえることですが、血管を強くするには、お肉よりもオメガ3系脂肪酸を含むお魚中心の食事の方が良いといえます。
参考元:日本植物油協会(https://www.oil.or.jp/kiso/eiyou/eiyou02_03.html)
下肢静脈瘤の症状の一つである「足のむくみ(浮腫)」。これは皮下脂肪に余分な水分が溜まることで引き起こされます。
そこで、むくみを改善するために役立つ食材や食事をご紹介いたします。
むくみの症状改善とは、簡単にいえば余分な水分が排出されること。つまりデトックス効果を高める栄養素を含む食材を積極的に摂ることが重要になります。以下に、栄養素別のおすすめ食材をまとめました。
これらの食材を普段の食生活で摂るためのおすすめの食べ方をご紹介します。
カリウムを多く含む野菜にワカメや豆腐などを加えることで、デトックス効果が期待できるでしょう。
ビタミンB6が豊富なサバと、大豆が原料の味噌の組み合わせ。サバは糖質も低めなので、ダイエットにおすすめです。
こちらもビタミンB6を多く含むレバーと、カリウムを含むニラの組み合わせです。ニラに限らず、いろんな野菜を加えるのも良いでしょう。
大豆類を最も簡単に摂取できて、毎日飲んでも飽きない、日本のソウルフードです。
足のむくみは下肢静脈瘤の症状の一つではありますが、むくみ自体は「長時間立ちっぱなしや歩きっぱなし」「食べ過ぎやお酒の飲み過ぎ」「睡眠不足やストレス」など、健康な方でも起こり得ます。
さらに、足のむくみは病気のサインともいわれていますので、下肢静脈瘤ではない方もこれらのむくみを解消する食事に取り組めば、将来の疾病リスク回避につながります。
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