ヒハツはどんな成分が含まれており、どんな働きがあるのでしょうか。受容体Tie2を活性化、毛細血管のエイジングケアにかかせない”Tie2植物”の代表格が「ヒハツ」です。
ヒハツとは、主に東南アジアに分布するコショウ科の植物で、その形からナガコショウやロングペッパーと呼ばれ、その他にもピパーチ、ヒバーチ、沖縄の島コショウとも呼ばれています。
ヒハツには「皮膚表面温度回復作用」「血行促進作用」「血小板凝集抑制作用」「血管拡張作用」「むくみ感改善作用」などがあるといわれており、中国では生薬としても用いられています。
体を温める効果のある食物としてよく取り上げられるのが生姜や唐辛子ですが、これらには独特のクセがあり、苦手という方も多いと思いますが、ヒハツは生姜や唐辛子に比べるとクセがなく、実は普段の食生活に取り入れやすいといった特徴もあります。
「Tie2」を活性化させれば血管の老化予防に役立てることが可能です。しかし活性化には「アンジオポエシン-1」が必要です。近年の研究によってアンジオポエシン-1に代わる存在として注目されているのが「ヒハツ」です。
ヒハツエキスが「アンジオポエシン-1」の代替物質として名前が挙がったのは、有力と考えられた数百種の植物エキスをスクリーニングした結果です。実験では血管内皮細胞にエキスを添加し、培養してから細胞中の活性化「Tie2」量を解析しました。その結果、ヒハツエキスの「Tie2」に対する活性化の効果が「アンジオポエシン-1」とほぼ同等だったことがわかったのです。
血管では血管内皮細胞と壁細胞がくっつくことで、血管内の血漿成分が漏れないようにした上で透過性を保っています。しかし、炎症などが起きると血液成分の透過性が高くなってしまい、むくみの原因となります。今回の実験では、「アンジオポエシン-1」と同じようにヒハツエキスも血管から血漿成分が漏れ出すのを抑える効果があることが確認されています。
また、別の実験ではヒハツエキスの摂取量が多いほどむくみを抑制する効果も高まることが示唆されています。このように、ヒハツエキスのむくみ改善効果と「Tie2」活性化の間にはっきりとした関連性が浮かび上がっているのは間違いないでしょう。
血管の老化は、肉体の衰えに繋がるため、その予防・改善作用をもつヒハツエキスには、様々なエイジングケアが期待されています。
毛細血管は外側の「壁細胞」、内側の「内皮細胞」の二重構造になっています。
壁細胞からは「アンジオポエチン-1」という成分が分泌され、内皮細胞に存在する受容体Tie2が活性化することで、内皮細胞の1つ1つと壁細胞が隙間なく密着し安定を保っています。
しかし、紫外線や生活習慣の乱れ、ストレス、加齢により壁細胞がダメージを受けると「アンジオポエチン-1」の分泌が少なくなります。
そうなると受容体のTie2も活性化しないため、密着すべき壁細胞と内皮細胞に隙間が生じ、そこから血液や栄養素が漏れだしてしまいます。
これが毛細血管の老化の始まりなのですが、私たちはそれを完全に防ぐことはできません。しかし、ダメージを修復することはできます。
近年、研究により受容体Tie2を活性化する食材が分かってきました。
それが中国やインドでは昔から香辛料や民間薬として使われてきたコショウ科の植物「ヒハツ」です。
根本のメカニズムは、血管やリンパ管の老化を予防することによる血流改善と老廃物の回収と考えられています。
本来、毛細血管は血液中の脂質や糖質が多くなると詰まってしまいます。その結果、毛細血管の血流が悪くなったり、血管が消失してしまったりといったケースも。これがメディアで取り上げられている「ゴースト血管」という状態です。
毛細血管の状態が悪くなれば、足まで栄養や酸素がいきわたらなくなるので、下肢静脈瘤を引き起こす原因にもなりかねません。
毛細血管は不規則な生活を送っていると傷つくことがあり、知らないうちに毛細血管の血流が悪くなっている可能性があります。
ヒハツは毛細血管の壁細胞の修復に関わる「Tie2」を活性化させるといわれており、下肢静脈瘤の症状緩和が期待できます。
コショウ科の植物には独特の辛みを持つ「ピペリン」という成分が含まれており、これはヒハツも同様です。ピペリンには毛細血管を拡張させる作用があるので、血液の通り道が広くなって血流が良くなり、結果的に下肢静脈瘤の予防にも効果があると考えられます。血流が良くなれば体温も上昇するので冷えや肩こりの改善も期待できるかもしれません。
またピペリンには基礎代謝を向上させる効果もあると言われています。脳内神経物質であるアドレナリンの分泌を促し筋肉や内臓の働きを高めるほか、血行促進によって脂肪の燃焼が進みダイエット効果をもたらすとも。栄養吸収を促進させる働きも注目されており、いいことずくめの成分といえます。上手に摂取して身体の調子を整えましょう。
豚バラ肉にヒハツパウダー小さじ1で下味をつけます。
ネギの青い部分と一緒に30分下茹でします(余分な脂は茹でこぼしてください)。
粗熱を取ったら7mm幅に切ります。フライパンを熱し、つぶしたにんにくを加えて、ネギと豚肉を炒めます。
紹興酒大さじ1、オイスターソース大さじ1/2を加えてひと煮立ちさせます。
その後、中華スープを加えて塩で味を整えます。水溶き片栗粉でとろみをつけて豚バラとともに皿に盛り付ければ完成です。
鶏ひき肉200gにヒハツ(小さじ1)と塩少々を合わせてよく混ぜ合わせて団子状にし、電子レンジ(500w)で3分加熱します。
適当な大きさに切った人参・じゃがいもを水(400ml)を張った鍋に入れて火をかけます。
じゃがいもが柔らかくなったら鶏団子とキャベツとコンソメ(小さじ1)を入れてさらに煮て完成です。
ゴーヤを縦半分に切って、種を除いて5mmの厚さに切ります。ランチョンミートは1cm幅に切ります。
卵は溶いておきます。フライパンにサラダ油を入れて火にかけ、ゴーヤを緑色が鮮やかになるまで炒めます。
粉末ダシとヒハツパウダーを加えて混ぜます。卵を加え、混ぜ合わせるように炒め、醤油で味付けをします。
器に盛り、さらにヒハツパウダーを振って完成です。
オリーブオイル大さじ2、お酢大さじ1、ハチミツ小さじ1、醤油小さじ1、塩少々、ヒハツパウダー少々を混ぜ合わせます。
葉野菜、ワカメ、茹で鶏など、お好みの食材を器に盛り付け、先に混ぜ合わせた調味料をかければヒハツドレッシングサラダの完成です。
ヒハツはコショウ科の植物ですので、普段使用しているコショウと代替えをして食生活に取り入れることでうまく摂取できます。ヒハツパウダーは香辛料が充実した小売店で販売しているので、ぜひ探してみてください。
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