ジンの香りとして知られているジュニパーは、高い解毒作用や利尿作用による下肢静脈瘤のむくみ改善への効果も期待できます。ここでは、ジュニパーのもつ働きや特徴などを紹介します。
ジュニパーはセイヨウネズとよばれるヒノキ科ビャクシン属の低木です。棘があり、栽培されているジュニパーは1.8mほどであるものの、北欧に野生しているものは高さ10mほどにまで育ちます。
ジュニパーは解毒作用や利用作用をもつハーブとして知られ、古くから活用されてきました。たとえば15・16世紀には傷治療にも役立て、それまで腸チフスやコレラなどの伝染病治療として用いられていた薬として高い評価を得ました。今ではジンの風味付けに用いられることが多いジュニパーですが、もともとは薬草として活用されていたものだったのです。
ジュニパーの実はジュニパーベリーと呼ばれ、ジンの香りづけとして使われるのが有名です。ジンはカクテルにも使われているので、ジュニパーを見たことがない方もジンの香りを想像するとわかりやすいでしょう。また、ジュニパーはお酒の香りづけとして用いられるほか、肉料理の臭み消しのスパイスとしてやお茶、お茶からできる化粧水、精油などさまざまな用途があります。とくにジュニパーの精油には殺菌効果があり、湿布薬やマッサージオイルとしても使われています。
ジンや料理の香りづけに用いられることの多いジュニパーですが、民間薬としても高い評価を得てきました。とくにジュニパーのもつデトックス作用や利尿作用は有名で、下肢静脈瘤のむくみに悩む方にも効果が期待できるでしょう。
ジュニパーの主な効果は以下のようなものが挙げられます。
とくにジュニパーのもつ利用作用は腎臓の機能を回復させる効果が期待でき、糖尿病などの腎臓疾患にも有効とされています。
また、利尿作用によって体内に溜まった毒素を排出できるため、胃腸の調子を回復させたり、膀胱炎や腎臓結石、淋病やリウマチなどにも効果が期待できます。消化器全体に作用して食欲を増進させる働きもあり、ジュニパーは体のさまざまな不調に有効性が認められています。
さらにジュニパーに含まれるタンニンには、毛穴を引き締めたり、皮膚の保護、美白などの効果も期待できます。ニキビケアとしても有効なため、化粧水の有効成分として活用されることも多いようです。
白ワインビネガーや葡萄酢にジュニパーベリーの香りをつけたレシピです。ジュニパーベリー入りビネガーはキャベツのコールスローやレンコンやゴボウのピクルスにもぴったり。
用意するのは葡萄酢あるいは白ワインビネガー300mlに対しジュニパーベリー大さじ2。ジュニパーベリーは指でつぶしておき、容器に入れた葡萄酢あるいは白ワインビネガーに漬けこみます。お酢にジュニパーベリーの香りがつくまで1ヵ月ほど置き、香りがしっかりつくまで待てば完成です。
ジュニパーベリーの香りがついたお酢を取り分け、ローリエ(ジュニパーベリービネガー50mlに対し1枚程度)やフェンネルシード(ジュニパーベリービネガー50mlに対しひとつまみ)を加えて2~3日置くとさまざまな香り高いお酢が楽しめますよ。
ジュニパーはハーブティーとして摂取できるほか、ビネガーや肉料理の臭み消しなどでも取り入れられます。また、精油をマッサージやアロマテラピーとして使用するのもおすすめです。
ただ、ジュニパーは過剰摂取を控えるべきといわれており、高い解毒作用や利尿作用により腎臓機能への負担となることがあります。そのため、ジュニパーティーなら1日1~2杯程度まで、精油なら1ヵ月以上の使用は避けるなどの注意が必要です。腎臓に重い障害があるときや身体の炎症が強いとき、また妊娠中の摂取は控えることをおすすめします。
-->