「ビタミンCの爆弾」と称されているローズヒップ。高い美容効果をもつことで知られるローズヒップは、下肢静脈瘤のむくみにも効果的だといわれています。ここでは、ローズヒップの特徴や効果について解説します。
ハーブの一種として親しまれているローズヒップは、バラ科バラ属の果実の総称であり、ヨーロッパ産のドッグ・ローズなどが知られています。野バラであるドッグ・ローズは、ヨーロッパでは「薬用のローズヒップ」として重宝されており、ローマ時代に「狂犬病に効く」とされたことからその名前がついたといわれています。
ローズヒップというと赤く小さな実を想像しますが、その実はバラが咲き終えたころに緑色から橙色、濃い赤色へと熟したもの。収穫された実は乾燥させて煎じてローズヒップティーにしたり、ローズヒップオイルを抽出して化粧品に配合したりといった用途があります。
美容に良いことで有名なローズヒップですが、ビタミンCを豊富に含んでおり「ビタミンCの爆弾」と称されるほど。小さな実ひとつでレモン約20個分のビタミンCを含み、第二次世界大戦中のイギリスにおいては壊血病(ビタミンC不足による病気)を防ぐ食材として重宝されていたといいます。
ビタミンCを豊富に含むローズヒップには高い美容効果が期待されていますが、利尿作用をもつことから下肢静脈瘤にも効果的といえます。利尿作用によって体内の余分な水分を排出しやすくなるため、下肢静脈瘤の症状であるむくみ解消に役立つのです。
そのほかにローズヒップに期待できる効果として、以下の4つが挙げられます。
これらの効果のほとんどは豊富なビタミンCがもたらすものだといえそうです。特に活性酸素の発生を抑えたり、コラーゲンの生成を促進したりする作用による美肌効果について広く知られており、ビタミンCを十分に摂取することで肌にハリを与え、また肌荒れを防ぐとされています。肌の大敵である活性酸素を取り除く作用があるので、肌の健康維持に一役買ってくれるということですね。
またビタミンCにはシミの原因となるメラニン色素を生成する酵素「チロシナーゼ」の働きを抑える作用もあるといわれています。ローズヒップがシミや肌荒れの予防、ハリの改善など美容目的で摂取される理由はここにあるのでしょう。
このほかにもローズヒップには免疫力向上や炎症の緩和、精神安定などの効果が挙げられていますが、いずれも豊富なビタミンCを含むことがその理由のようです。
ローズヒップティーは乾燥果実やパックで市販されていますが、「あの独特な酸味が苦手...」という方もいるのではないでしょうか。そこでおすすめなのがフルーツと一緒にいただくフルーツティーです。
ローズヒップ&ハイビスカスティーにリンゴや桃の果実を加えるのも美味しいですが、パインジュースを加えるのもおすすめ。パインの甘味がローズヒップの酸味とマッチし、トロピカルなフルーツティーになります。
作り方はローズヒップティーバッグ1個に対し熱湯160ccを注ぎ、1分ほど蒸らします。蒸らしたらグラスに注ぎ、底を氷水にあてて冷やします。次にパインジュース100ccと氷を加えて完成です。
パインジュースを静かに注ぎ入れれば、上部が赤色・下部が黄色の綺麗な2層になります。ホットのローズヒップティーよりも飲みやすいため、ローズヒップティーの風味が苦手な方も試してみてはいかがでしょうか。
ローズヒップを摂取するにはローズヒップティーが手軽でおすすめですが、ハイビスカスティーとブレンドすると飲みやすくなります。
また、ローズヒップには豊富なビタミンCのほかペクチンという水溶性食物繊維が含まれており、便秘解消の効果が期待できる一方飲みすぎるとお腹を下す原因となることも。そのため、ローズヒップティーを飲む場合は1日1~2杯程度を目安にすると良いでしょう。
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